PATRON 17


…初めてこの家に来たとき、
部屋数が少ないことに驚いたっけ。



廊下に掃除機をかけながら
ふとそんなことを思い出した。


ユノさんの部屋と、バスルームとトイレ。
広いリビングダイニングにテラス。

それと、玄関から1番近い、
8畳ほどのフローリングの部屋。
この部屋は全く活用されていない。

住み始めた頃、一度興味本位で覗いたけれど
本当に何もなくてその存在を忘れていた部屋だ。


でも、今日からそこが俺の部屋となる。








無駄に広いんだから
俺の部屋に2つベッド並べたらいいじゃんって
いうユノさんの主張をどうにかこうにか
説き伏せて、必死で勝ち取った部屋だ。


なんで同じ部屋で寝るって
発想になるのか、理解できない。


ちなみにベッドが届く日まで
一緒に寝るか?ってお誘いも全力で
遠慮させてもらった。
 


ユノさんがオトコでもイケるって言うんなら
喜んで隣で寝るのに。

どうしても悶々する夜に
もしかしたら…もしかするかもしれない。




いや、ユノさんって心配症で
俺のこと中学生くらいのガキだと思ってるし
それはないか。

そもそもユノさんはゲイじゃない。
…聞いたことないけど。




溜息をついたところでインターフォンが鳴った。












「ベッド…だけじゃなかったんですね。」


「ええ、ご存知なかったですか?」



真新しいベッドとパソコンデスクと
本棚が設置された部屋に
様子を見に来たシンさんと2人。



「まぁ、今までチャンミンさんの部屋が
なかったことの方がおかしいですし。」


「なんか…お忙しいのに急なことで、
本当に何から何まですいません…」




「部屋を出るっておっしゃった時から
こうなるんじゃないかと思ってたので。

むしろこっちの部屋だったか、という感じで…
いえ、何でもないです。


私としては社長が毎日チャンミンさんの
作った食事を食べてくださることになって
ほっとしてるんです。

あの人、食生活が乱れまくってますから。

よろしくお願いします。」


この話はコレで終わりだと言わんばかりに
頭を下げられた。


「が、がんばります。」


俺も負けじと深々と頭を下げた。





















「あ、社長、立ち会ってきましたよ。
無事に搬入終わりました。」


「あぁ、サンキュ。
どう?なかなか良かっただろ、俺のチョイス。」


「はいはい。」


「俺のベッドの隣に並べるなら
あれよりもっと気に入ったベッドが
あったんだけどなぁ。」


「普通嫌でしょ、隣で寝るなんて。」


「いや、そうだけどさ。
…まぁ、隣の部屋でも聞こえるか。」



「何がですか?」






「んー?助けを求める声。」











単位はおそらく前期で取り終わる。
そのあとは卒論くらいだからもっと
アルバイトもできるかな。

卒業まであと1年。

ユノさんとの生活が始まった。







よろしくお願いします。
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