PATRON 21




「失礼、します。」


「うん、そこ座って。」


デスクはあるけど、
一般的な診察室なら必ずある診察用のベッドは
なくて、あぁ、話を聞くためだけの部屋なんだなと思った。




勧められて座った椅子も
ゆっくり寛げるようなものだった。




「あの、この前のことなら大丈夫です、
たまたまなんです。

悪い夢でも見たんじゃないかなって。」


ユノさんが心配して頼んだに決まってる。

先手必勝、とばかりに正面の椅子に
ヨンアさんが座ると同時にそう伝える。




ヨンアさんはちょっと驚いた顔をして、
そのあとゆっくり話し始めた。




「チャンミンくん、
もしかして、
ユノが頼んできたと思ってる?

ユノは何も知らないわ。

私が、チャンミンくんと話したいって
シンに頼んだの。

だから
この前のことが何かは分からないんだけど….
せっかくだし聞いちゃおうか?
私、人の話聞くのが仕事なの。



私に話しにくいなら、他の先生でも。

あ、でもこのクリニックでは、
私が1番美人よ?」



「はぁ。
俺、美人には興味ないんですけど。」



あ、しまった。




「ええぇ…

いつもみんなフフって笑って
そうですねって言ってくれるのに。

チャンミンくんには通用しないのね、
残念、覚えとく。

でもごめん、
カッコいい先生は残念ながらいないかな。
あ、どんなのが好みかによるけど。」



美人に興味ないって言っただけなのに
よく分かったな。

しかも、この国で
ごく自然に俺みたいなマイノリティを
受け入れてくれる人はそうはいない。


いい人、なんだな。



「ふふっ」





「あら、今笑うの?
タイミングおかしくない?」






話してみようかな、と思えた。

なんで俺と話してみたいと思ったのかも、
知りたかった。



「俺、ホストにハマった時期があって…」



















Y side


「ただいまーチャンミン?
あれ?チャンミーン?」


「あ、まだ帰宅されてませんか?」



「まだってなんだよ。
もーなんでいつもシンが知ってんだよ。」



「俺が社長の秘書だからですよ。」


「はいはい。で、どこ行ってんの?」


「ヨンアさんのところに。」


「……そっか。」


「チャンミンさんにヨンアさんご紹介されたの
社長ですよね?

ヨンアさんの方から話してみたいって
連絡がきまして。」


「ふーん。」


「そうなるように仕向けたくせに、まったく。」



ヨンアは優れた医者だ。

チャンミンの心の奥底に溜まった膿みを
取り除いてやりたい。

それには
専門家の助けも必要だと思えた。



「あんまり生意気なこと言うと、
昔ヨンアに惚れてたのバラすぞ。」


「なっ!?
なんで知ってっ?!」


「あ、ホントにそうだったんだ。」





キャンキャン言うシンを玄関まで見送って
無理やりドアを閉めた。





俺もそろそろ次の診察予約しないと。

ヨンアのクリニックはいつも混んでるからな。








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コメント

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キー○○さま

Miiiii
こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!
ユノの悩み…院長先生はニヤニヤしながら聞いてると思うんですよね…
妄想でニヤニヤしても家族が慣れてしまいスルーされる日々です。

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