PATRON 36




「お先。」



ソファで悶々としていたら
あっという間にユノさんがバスルームから
出てきた。



「あ、はい。

俺も…あ、えっと…」


しまった、どう伝えよう。

悶々としてないで考えとけばよかった。
ユノさんはノーマルなんだから
オトコとのアレコレはきっと何も知らない。


久しぶりだし、
色々準備しなきゃいけないし、
出てくるの遅くなるけど心配しないでくださいって…恥ずかしくてそんなこと言えない。




「うん、ゆっくりでいいから。

ごめんな、任せきりで。」





「そんなっ…入ってきますっ!」










シャワーを浴びながら、1人でニヤニヤする。

ユノさん、きっと色々調べてくれたんだ。
しかも任せきりでごめんな、だって。



そんなこと言ってもらったことない。

毎回準備してて当たり前で、
いきなり来たときだってっ…







ドクンっ









ダメだ、思い出すな。

思い出したくない。










でも、一度思い出したら、
次から次に記憶の扉が開いてしまう。




お湯の温度は少し熱いくらいなのに
カタカタ震えてしまい、

ふぅーっと深く呼吸をしようと
したのになぜか出来なくて、苦しい。






こんな時にっ…







どうしていいかわからず、
シャワーに打たれたまま頭を抱えて
しゃがみ込んだ。



















コンコンっ…




「チャンミン?

あのさ、
俺よくわかんないんだけど
どう考えてもちょっと長くないかな、って…

大丈夫か?」



どのくらいそうしていたんだろう。
ユノさんの声で我に返った。


ユノさん…


「あれ?おい、チャンミン?!」



そうだ、俺はユノさんのものになったんだ。

大丈夫ですって言葉を発しようとしたのと、
ユノさんが入ってきたのはほぼ同時だった。




「チャンミン?」




「ユノっさん…」



「なっ…チャンミンっ!」



服のままバスルームに入ってきたユノさんは、
しゃがみ込んだ俺を支えて立たせ、
洗面台の棚から無造作に数枚のバスタオルを
掴み、それで包んでくれた。


そのままベッドへと肩を抱かれたまま移動する。



不思議なことに震えは止まり、
抱かれた肩が熱い。



2人でベッドに腰掛ける。

包まれていたバスタオルで
体と頭を拭かれて、
代わりにブランケットでぐるぐる巻きにされる。





「もう寝るか?

ずっと抱きしめててやるから。」





「俺、思い出して…」




「うん、うん。


過去の記憶は、どうやったって消せない。
消して、やれないんだ。


でも、俺に抱かれた記憶で
頭の中全部埋めてやることは出来る。
早くそうしてやりたいよ。」




全部埋める?
ユノさんとの、記憶で…




「って…あーあと、あれだな!

思い出す暇がないくらい
毎日すっごい量の仕事してもらって
そんで死ぬほど疲れてもらおうかな。

クタクタで朝までぐっすり眠れるように。」




ふふ…後半はきっと照れ隠しだ。

でも、嬉しい。


ふぅっーともう一度深く息を吸い込んで、
はぁーっと息を吐く。
今度はちゃんと息が出来た。



これから先、
また息が苦しくなることもあるだろう。


でもユノさんでいっぱいになったらきっと、
頭の中の奥の奥の方に
全部追いやることができそうだ。

いつか、溢れてポンと出ていくかもしれない。

 







「ユノさん。

この前の続き、シてもいいですか?」



ストンと床に座ってユノさんの足の間に入った。












ブログ拍手で初コメントしてくださった方、
ありがとうございます、
返信の仕方がわかりません←アナログ( ؕؔʘ̥̥̥̥ ه ؔؕʘ̥̥̥̥ )
でもありがとうございます!

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