最後に笑うのは 2





2個上のソンジェヒョンに出逢ったのは
中学1年の頃。

いつも友達の輪の中心にいるのに
なぜか気怠そうにしてる姿が
まだ子供の俺には
めちゃくちゃかっこよく思えた。


大人しくて目立たない俺が
ソンジェヒョンに認識してもらえたのは、
たまたま隣の家のヒョンがソンジェヒョンと
友達だったから。

ヒョンの家でゲームするのに人数が足らないって
呼ばれた日が、初めて言葉を交わした日だ。

「お前、うまいじゃん。」

って言われた日、
俺はソンジェヒョンに抱かれる妄想で
吐き出した。

そっからは学校で会っても
声をかけてくれるようになり、

「よぉ、チャンミン。」

ってそれだけなんだけど、
サラサラの髪に鼻筋の通った端正な顔立ちの
ソンジェヒョンに、俺はもうクラクラだった。

オトコが好きなのか
ソンジェヒョンだけが特別なのか…
そこに関してはまだわからないけど、
ソンジェヒョンへの気持ちだけは
ずっと変わらないまま。


中学が同じだったってだけの後輩が
朝っぱらから毎週話しかけたら
キモチ悪いんじゃないかと考えて、
偶然を装って声をかけるのは数回に1度に
しているけど、
話せた日はやっぱりソンジェヒョンを
想って吐き出す。



いい加減、一歩進めたらいいんだけどな。





いつのまにかユノの周りに人が増えて、
正門を通る頃には小学生の集団登校のように
なっているのも、いつものこと。

中庭を抜けて昇降口で靴を履き替え、
いつものように階段を上る。


3年になってまた、ユノとはクラスが離れた。
と言っても同じ理系だから隣のクラスだけど。





「ちょ、待てって!

チャンミンっ、今日昼休み、よろしくな!」


友達に囲まれて教室に押し込まれそうに
なりながらユノが叫んだ。


「あぁうん、購買寄ってから行くよ。」


「わかった!待ってる!」






今日の放課後は月1の委員会の日で、
その日はいつも、昼休みに配布物なんかを
準備をする。


先月、初年度初回の委員会では顔合わせだけで
終わっちゃったからな…
ユノに憧れてクラス委員になった子達が
ボーッと見惚れちゃったり、緊張してロクに
自己紹介が出来なかったりで大変だったのを
思い出した。



確かにユノはカッコいいもんな。



カッコいい会長に
早くみんな慣れてくれないと、
作業が進まない。

ふぅっとため息をついた。















「へぇー1年の子?」



昼休み、
待ってると言ったはずのユノは生徒会室には
いなくて、代わりに2年で書記のイリが
書類をクリップで止めながら
ニヤニヤと教えてくれた。


「そうです、
ユノさんは1年生の注目株に
呼び出されて今不在です。」


「まだ入学したばっかりなのに生徒会長に
告白か、すごいね。」


「本当に。

それにしてもユノさんは優しすぎ。
作業中に抜けるなんて!
戻ってきたらなんか奢ってもらわなきゃ。」


そう言いつつも凄い勢いで書類を捌いていく
イリには、付属の大学に長く付き合う彼氏が
いて、俺と同じように同じキャンパスを歩くのを
楽しみにしている。

いや俺は付き合ってないけどさ。


イリの隣に座って作業を始めて数分後、
ユノが生徒会室に入ってきた。


「ごめん!お待たせ!

あ、もう終わりそうじゃん。
ほんとごめん!

あとは俺がやるから、ゆっくり飯食って。」


「はーい、じゃあ遠慮なく。」



俺と同じように昼飯を持参していたイリが
その言葉待ってましたとばかりに
お弁当を広げ始めた。


「チャンミンも、悪かったな。」


俺の方を向いたユノは
走ってきたからかうっすら汗をかいていた。

そんな急がなくてよかったのに。


「いや、大丈夫。
購買寄ってからきたせいで
ほとんどイリがやってくれた。」


「本当?さんきゅ。」



「で、断ったんですか?また。」


唐突なイリの一言に、
書類を確認していたユノの手が止まった。


「ん、なんのこと?」


「もーまたそうやってはぐらかす。

あんなのどう考えたって告白するための
呼び出しなのに。」




ユノは、
自分から告白されたとか断ったとか
そーゆーのは一切言わない。
当たり前のことかもだけど、
そーゆー当たり前のことが出来ない奴も多いから
良いやつだな、と思っている。

でもほんと、モテるんだなぁ。

未だに一歩踏み出せない俺とは違って
恋愛もお手の物って感じだ。





そうだ…ユノに、相談してみる?

いや相手オトコだし、やっぱり言いにくい。

でも、ユノならそんなことで引かない気もする。


じーっとユノを見ていたら、
急にユノがガバッと顔を上げた。


「なにっ?なんだよ、チャンミンまでっ!」


珍しく顔が赤くて
思わずクスッと笑ってしまった。


「いや、ごめん。違うよ。
俺は他人の恋愛には首突っ込まない主義。」


そう言って謝り、
買ってきたパンに手を伸ばした。







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