最後に笑うのは 5




ホームに軽く10分は立ってたっていうのに、
翌日のユノも翌々日のユノも、
いつも通りのユノだった。


ようするに、だ。

あれは爆弾発言でもなんでもなくて、
いや、俺にはかなりの衝撃だったけど。

でもユノにとったらそんな大した事じゃなくて、
俺を励ますのに自分のことをちょっと例に挙げてくれただけなんだ、きっと。


高3にもなれば済ませたやつも増えてきたし
そりゃユノはもちろん色々経験済みに
決まってる。
ま、まさかオトコとのセックスまで
中学の時に済ませてるとは思わなかったけど。


ソンジェヒョンを想って1人でヤッてる
俺なんかとはすごい差だ。





…別に競ってないけど。





ようやくそんなふうに納得したのは
1週間後の放課後、腹が減ってクラスの奴と
ファーストフード店に寄った帰り、
1人駅に向かって歩いている時だった。


全くこれだから童貞は…
ユノなりの励ましだったのに
動揺しすぎてちゃんと礼も言ってない。



ふぅっとため息をついた。





それにしても。

気持ちいいのかな、オトコ同士って。

だって、女の子ももちろん経験済みなはずの
あのユノがハマったって…



ソンジェヒョンも、ハマってくれるかな?

ソンジェヒョンが必死なところなんて
見たことないけど…

どうしよう、

「チャンミンっ…ごめん、余裕ないっ」

とか言われてガツガツ突かれたりしたら…

なにそれ、やば。
















「よぉ、チャンミン。

よく会うな。」




「ソッ…!!!?!」



「わっ、なに、この子!
可愛いー!」





邪な妄想の最中に
現実のソンジェヒョンが急に現れて
変な声が出た…んだけど、
ソンジェヒョンは数人の集団の中にいて、
その中の1人と思われる女の人の甲高い声で
俺の声はかき消された。




「中学の後輩の、ゲーム仲間。

な?

あ、高校も後輩か。」




「そうなんだ!
はじめまして!

わーほんと、近くで見たら肌も綺麗だし
背も高いし、足も長くてスタイルもいいのね。

ねぇ、ユリ、好きなタイプでしょ?笑」


「もーからかわないで。
でも本当肌が綺麗ね、羨ましい。

こんな可愛い弟がいたら、
いつも一緒に出かけて自慢するのに。」






か、可愛いとか言われても、俺男なのに!
ソンジェヒョンの前で恥ずかしい…

どうしていいかわからず
ソンジェヒョンに助けを求めようとして…





一瞬周りの声が聞こえなくなった。





すぐわかった。


ソンジェヒョン、
ユリさんって人のこと好きだ。


今までソンジェヒョンの隣に女の人がいても
そこまで気にならなかったのは
夢中なのは女の人だけで、
ソンジェヒョンはいつもと変わらなかったから。


でも、今回は違う。



「ふーん、弟でいいの?」


「そうね、私年下は興味ないの。
でも本当に可愛い。

チャンミンくん、だっけ?
モテるでしょ?」




「そんなっ、全然です…

あの、ソンジェヒョン、
俺次の電車に乗るんだった。

また…ね。

皆さん、失礼します。」



え!ざんねーん、バイバーイ!




背中に聞こえる声に振り向くこともできず、
早足でその場から離れた。








弟でいいの?ってユリさんに尋ねる目に、
焦りがあった。

年下には興味ないって答えたら
ホッとしてた。

周りはきっと気付いていない。

でも俺にはわかる。

いつもの飄々としたソンジェヒョンじゃない。
目が、違う。






あんな目で見つめてもらえるユリさんが
羨ましい。

もうちょっと近付きたいとか
そんなレベルで考えてた自分が笑える。



周りはもっとリアルな恋愛をしているのに。











月曜と金曜の朝だけ、
2本早い電車に乗るようになった。


一度、隣のヒョンに懐かしいメンツが
みんな来るからって誘われたけど
本当にちょうどテスト前だったし
行かなかった。


後でソンジェがチャンミンはー?って
言ってたって聞いたけど、
胸が痛んだだけだった。












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