最後に笑うのは 6



テスト最終日、
生徒会の仕事で他の生徒より少し遅めの下校に
なった俺は、ユノと2人で駅までの道を歩いた。



イリはテスト前からしばらく会えなかった
彼氏とのデートだっていうから
雑用免除としてやった。



  
「イリの言葉、聞いたか?
ユノオッパありがとうございます!だって。
普段そんな風に呼んだことないくせに。」



「俺もオッパ感謝しますって言われたよ笑。」



「あぁ、可愛いもんだな、
恋人に逢うのをあんなに楽しみにして。」



「ユノは今いないの?」


「え?」


「あ、いや…
言いたくないならいいんだ。」




話の流れと少しの興味で聞いてしまった。


ユノと恋愛の話をするのは、
ソンジェヒョンへの気持ちがバレてるって
わかった日以来だ。



「いや別にいいよ。

うーん、今は、まだかな。」



「今はまだ…?」



恋人がいないのかって聞いたのに
今はまだかなって答え、おかしくないか?



「チャンミンはどう?」


「え?」



逆に聞き返されて、めんくらう。



「最近チャンミンが
朝すげえ早い電車乗ってるのは、
なんで?」



「えっ!

あ、いや…別に。


暑くなってきたから満員電車を
避けてるだけ。」



それが1番の理由じゃないけど、
最近では曜日によって行く時間を変えるのが
面倒になり、毎日早い時間に登校している。



「ふーん、そっか。

確かに朝早い電車って気持ちいいよな。」



「うん!
しかもさ、俺が乗る駅からでも
座れるときあるんだ!」


「へぇー。

朝早く行っても教室ってエアコン効いてる?」



「いや、教室はダメ。
でも図書室は涼しいよ。」




「あーそうだった。

朝から自習する生徒のために
解放してるんだったか。」




「そうそう!
しかも慣れてきたら
毎日勝手に早い時間に目が覚めちゃって。」




「確かに夜眠い時に勉強するより
良さそうだな。

俺も早起き…いや、無理かなぁ。」







結局、俺が電車を降りる頃には
ユノが早起き出来た日は、
朝の図書館で勉強することになっていた。


それは別にいいんだけど
ユノに恋人がいないのかって話だったはずが
上手くはぐらされたなぁ。


ん?

なんで俺が朝早い時間の電車に
乗ってるって知ってたんだろう。


俺が言ったか。






ソンジェヒョンに逢いたくなくて
無理してはじめた早起きだったけど、
思いの外、自分には合っていたようだ。





うん、良かったんだ、これで。
    


















「ユノ、実は早起き得意なの?」


次の日から1学期の終業式まで
ユノは結局毎朝、図書館に現れた。


俺より早い電車の時もあったくらい。


「いや、全然。」

「そんな風には見えないけどなぁ。」


ほとんど生徒のいない図書室で
放課後なら取り合いになるパソコンのある席を
陣取ったユノは、朝にふさわしい爽やかな笑顔。





一緒に勉強するようになってから
希望する学部がユノと同じだと知った。

付属校とはいえ学部ごとに定員があって、
希望者の多い学部はもちろん成績順。

俺は今のまま頑張ってれば大丈夫だって
言われてるし、もちろん成績優秀なユノも
まず間違いないだろう。

同じ学部に行けるなんて嬉しいな、って
言ったら、そうだな、と笑ってくれた。





俺が男を好きだと知っても
変わらず接してくれるだけじゃなく、
おそらく他の奴には言ってないであろう
恋愛経験の話をして励ましてくれたり。


俺は勝手にユノのことを
1番の友達のように感じていた。













「シムくん…あの、今日の帰りちょっとだけ
時間もらえないかな…」



終業式が終わって教室に戻る途中、
たまたま1人になったタイミングで
知らない女の子に声をかけられ…


「ごめん…」


今に至る。


たまーーーにあるんだけど、
いつも断り方に困る。

特に今回はソンジェヒョンに告白もできずに
勝手にフラれた自分より、よっぽど勇気ある女の子に対してごめんしか言えないのか、って…
嫌になる。



「はぁっ…」

ソンジェヒョン以外に好きな人、出来るかな。

生徒の間で有名な告白スポットとなっている、
音楽室や家庭科室しかないフロア。

伝えたかっただけだからって言い残して
女の子が立ち去ったあと、
その場にしゃがみ込んで思わずため息が出た。


高校最後の夏なのに、
自分の性的嗜好さえ、
俺にはまだよくわからない。
















「断ったんだ。」



下校のピークはとっくに去っていて、
昇降口にはもう誰もいないと思っていたのに
隣のクラスの下駄箱に、ユノがもたれていた。





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コメント

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茶○○○○○○○○さま

Miiiii
お母さんに毎朝叩き起こされて
頑張ってるかもしれません。
頑張り屋さんですね( ؕؔʘ̥̥̥̥ ه ؔؕʘ̥̥̥̥ )

ハピエンしか妄想しません。チャンミン…頼んだぞ。
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