最後に笑うのは 9



夏休みの終わり。

ユノと遊んだショッピングモール内の
カフェの一角。


ブラブラするくらいだと思ってたら
ユリさんはパソコン持参で
オープンキャンパス並みに大学のことを
説明してくれて…



せっかく受験の為だけの詰め込み勉強を
しなくていいんだから
自分の意見を言葉にする練習したり
要点をまとめて話すコツを学んだり。

大学の授業やレポートだけでなく
その先の就職後も必要となるであろうスキルを
是非今のうちから意識してね。

と最後にアドバイスまでもらった。


え…なにこれ…

俺、てっきり彼氏役の友達が登場するような
茶番劇ありうると思ってたのに。



俺の顔にはてなマークが浮かんでいたからか、
ユリさんは少し照れ臭そうに、
実は、教職につくのが夢だと話してくれた。

密かに
教職に必要な授業も取っているのだとか。

 
 


「へぇ、知らなかった。」


「誰にも言ってないもん。」


「いないなと思った時は、
教職の授業に出てたんだな。」


ソンジェヒョンも知らなかったようだ。

でもソンジェヒョン、
そんなこと言ったらいつもユリさんを
探してるってバレちゃうんじゃ…


あぁ、バレてもいいと思ってるのかな。



「そうなの。」


あ、流された。

ユリさん、ソンジェヒョンの気持ち、
薄々気付いてるのかも。



「だから今日みたいに
チャンミンくんの前で話せたこと、
すごく勉強になった。

わざわざ付き合ってくれてありがとうね。

さ、お店変えてなんか美味しいもの食べよ!」




年下の男の子と弟ごっこしてみたいとか、
そんなことで他人を引っ張り回す人には
見えなかったんだ。

これは…俺とソンジェヒョンは
ユリさんの夢のために
今日一日利用された感じだな。




「こちらこそ。
兄や姉がいないので、
とてもわかりやすくて、参考になりました。」



「本当に?よかった…」


「でも、申し訳ないんですが、
今日はこれで失礼します。

ちょっとまだ、
学校の宿題が終わってなくて…」



「えぇーそうなの?
可愛い弟と歩くっていう方も
 楽しみにしてきたのに。」



「すいません。」



「チャンミンありがとな。

またゲームしよ。」



「…うん。

次は高校生のテスト期間に集まるのやめてね?」




「やだね、テスト前でも来いよ。」




ソンジェヒョンの言葉に、
俺はちゃんと笑えただろうか。


ソンジェヒョンが
俺の奢りって言ってくれたから、
俺は礼を言ってそのまま店から出た。



学校の宿題なんかとっくに終わってる。
ただ、これ以上は無理だっただけ。











ソンジェヒョンは、
誰のものにもならないと勝手に思ってた。

いつもなんかふわふわしてて、
大人で、余裕があって、
女の子が横にいてもヘッドフォンして
音楽聴いてるような、
ガツガツしてない人だった。




今日もソンジェヒョンは頬杖ついて、
ぼんやりしてる風だったけど…
しっかりユリさんを見てた。

そんな視線を向けられるユリさんが
羨ましくて仕方なかった。







駅まで歩きながら、携帯を取り出す。




偶然を装って会う度、
隣のヒョンの家でゲームするたび、
今日こそ番号教えてもらおうって意気込んで…

でもいざとなると緊張して聞けなかった
ソンジェヒョンの連絡先が、入っている。

今日のためにって
あっさり教えてもらえたときは
なんだか複雑な気持ちになった。


教えてもらってから
何度も眺めて暗記してしまった番号を、
削除した。






「2人きりにしてあげたんだから頑張ってよ、
ソンジェヒョン。」



そう口にしたものの、
ユリさんの態度からみて可能性は低いんじゃ…
って考える俺は最低だ。


最低だけど…
そんくらい、心ん中で思うくらい、いいだろ。

だって俺今日、
ソンジェヒョンとユリさんの前に
何時間も座って…頑張ったと思うんだ。


泣きそうになって、
おいおいお前何歳だよ、って自分にツッこんだ。






ユノと遊ぶの、
夏休みの終わりにすればよかったな。

そしたら楽しい夏休みで終われたのに。








俺の初恋みたいな想いはこうやって幕を閉じた。



ハズだった。








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コメント

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茶○○○○○○○○さま

Miiiii
夏休み終わりました!
私が妄想してて楽しかったのはここからです。
楽しんでもらえますように…
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