最後に笑うのは 13




文化祭も無事に終わり、
なんとなく卒業の2文字が頭に浮かぶ季節に
入った。




もう、ソンジェヒョンを避ける必要は
なかったんだけど、
朝の勉強時間は良い習慣になっていて
ユノも朝起きるの苦手って言うわりに
変わらず続けていたし、
俺も変わらずに早い時間に登校していた。



ユノに彼女がいるって話は
もう全校生徒周知の事実となったけど、
詳細についてはイリが定期的にしつこく探りを
入れているものの、いつもうまくかわされてて
誰も知らない。


でも、俺は知ってる。



たまにすごく眠そうな顔で図書室に現れる朝が
あるんだけど、その時のユノってば、
いくら俺が童貞でも、あぁ昨夜ユリさんと…
って気付くくらい色気が半端ないんだ。

眠そうなのに色気を振りまくとか、
ホントに俺と同い年なのか。


まぁ、何が言いたいかって
ユリさんとは上手くいってるようだってこと。

イリには絶対言わないけど。








ソンジェヒョンからは
文化祭の後、ほんとに連絡が来て、
1回だけ2人でご飯を食べに行った。


焼肉の食べ放題に連れて行ってくれて…
2人してめちゃくちゃ食べて沢山話もした。


ふわふわしてると思ってたソンジェヒョンは
意外とよく喋り、よく笑い、そして
よく飲む人だった。




やる気なさげな方が、
面倒なことに巻き込まれないだろ?




笑いながらそう言うソンジェヒョンは、
前と印象は変わったけど、
カッコよくて魅力的であることに
変わりはなかった。


一度削除したソンジェヒョンの連絡先は
また俺の携帯に登録された。












「チャンミナ、うち来いよ!
ゲームやろうぜ。」


土曜日の夜、隣のヒョンに誘われて、
勉強の息抜きがてら隣の家を訪れると
中学からのヒョンの友達数人の中に、
ソンジェヒョンがいた。


嬉しいんだけど、
完全な部屋着にボサボサ頭で
恥ずかしい。




「あ…ソンジェヒョン…
この前はごちそうさまでした。」



「おぉ、旨かったな。」



自分の隣をトントンと叩いて座るよう促され、
俺はいそいそと
ソンジェヒョンの隣に座る。



「お前ら2人でメシ行くよーな仲だっけ?
しかも、ソンジェの奢り??

俺にも奢れよ!」




「お前には絶対奢らねぇ。

チャンミンは失恋した俺に
付き合ってくれたんだよ。

な、チャンミン 。」


え、ソンジェヒョン、
そんなこと言ったら…



「は?失恋?
何だよ、それすら知らねぇよ!!」



昔からわりと来るもの拒まずで
モテていたソンジェヒョンの失恋発言に
ヒョンたちは大騒ぎ。


当たり前だ、
今までソンジェヒョンは
そんな話したことない。


 
「え、どんな子?

可愛い?
いや可愛いだろうな!

ソンジェ、中学の時
あのミリのこと振ったもんな!


え、相手のこと、
チャンミン 知ってんの?」 



「ほんとだよ、ミリちゃん…」




「あぁ、お前ミリのこと好きだったよな。」
 


「うっさい!
それより今はソンジェの失恋話だろ!」




「なぁチャンミン、教えろって!」






事情を知っていると思われた俺は質問責め。



いや、可愛い人だったけどさ…
なんか言いたくない。

それにどこを好きだったかなんか知らないし!
いや好きだった、じゃなくて、
まだ好きなのかもしれない。




あーもう、
ゲームしないなら帰ろうかな!




俺が密かにふて腐れているうちに、
どれだけ騒いでもソンジェヒョンが
何も答えないから、ようやく諦めたヒョンが
ゲームのスタートボタンが押した。

















ほらみろ、最初に騒ぎ過ぎなんだよ。


いつもは朝方までゲームに興じるのに、
深夜になるにつれて
いつもより早く脱落者が続出した。


寝てしまったヒョンたちに呆れてため息をつく。



「あれ?生き残ってんのはチャンミンだけ?」


「ソンジェヒョン…おかえり。」


コンビニに行ってたソンジェヒョンが
戻ってきた頃には、
起きているのは俺だけ。


なんか…密室に2人きりは緊張する。




ヒョンたちはもう朝まで起きないだろうし、
もう帰ろ。


「うん、もうみんな起きなさそう。

俺も帰るねっ」



そう言って立ち上がった瞬間、
ソンジェヒョンに腕を掴まれた。




「んっ!んんっ…」




「おやすみ。」









「おや、すみ…」






人生初めてのキス。





好きな人との、キス。










自宅の階段を駆け上がり、自室に戻る。


引き寄せらて、上唇を少し舐められたあとの、
軽いキス。
ガチガチに勃っていて、2回もヌイた。


そうしなきゃ寝れなかった。








何年も変わらなかった距離が
急激に近づいて…急にゼロになった。













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コメント

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茶○○○○○○○○さま

Miiiii
ユノはきっと、泣いていないはずです!!
多分!
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