最後に笑うのは 19




ユノさんの新居に行きたい、


と言いだしたのはやっぱりイリだった。

もう卒業間近の3年生は
生徒会の仕事から引退していたけど
なんとなく居心地が良くて
昼休みは大抵生徒会室に足を運んでいて、

ユノの一人暮らしとすでに部屋を決めたことは
早々に生徒会メンバーの知るところとなった。



「まだ家具も家電も何もないから。
引越し終わってからにしろよ。」


ユノはそう言って苦笑し、
それもそうですね、ってイリも
笑ってその場はそれで収まった。











そう、確かにまだ何もないって
言ってたはずなんだけど…



「え?ここ…?」



俺が案内された部屋には、
家具や家電どころか観葉植物まで揃っていた。















A few hours ago…




「チャンミン、今日空いてる?」


2月に入ってすぐの寒い日、
金曜なのにソンジェヒョンはバイトで逢えなくて一人でゲームでもしようと思っていたら、
帰り際にユノに声をかけられた。



「うん、特に何もないよ。」



「よかった。

じゃあさ、
大学の図書館行ってみないか?

付属校生は学生証提示したら入れるらしいし。

ついでに学食でなんか食おうぜ。」




学食!

随分急な誘いだな、とチラッと思ったけど
食に貪欲な俺は、図書館より学食に食いついた。

大学って何ヶ所か学食があったよな…
そうだ、カフェもあったはず。
夜までやっているのも魅力的だ。


「行きたい!学食!」


「学食だけかよ笑」


「うん、なんかもうお腹減ってきた。
先に学食行こうよ!」



「なんか学食だけで終わりそうな予感する。」


苦笑するユノを急かして大学へと向かった。

制服のままってどうなんだろう、と思ったけど
広いキャンパスでそんなことを
気にする人はいなかった。













夕方の時間帯でも
学食を利用する人は多い。




「はぁ、うまかった…

大学に通う楽しみ増えたよ。」





「チャンミン…まだ図書館行ってないからな。

って俺もつられて食べすぎた、もう動けねぇ。」




目の前に座るユノは胃のあたりをさすって
ちょっとキツそう。





小さな小鉢に入ったおかずを数種類に
ボリュームたっぷりの竜田揚げ定食、
ご飯大盛り。

その後、
クリームソーダまで飲んだ。


さすがにもう夜は食べれない。


親に夕飯いらないってメールを送り、
図書館で寝そう…と思ってユノをチラッと見る。



「なんだよ、わかってるって…

また今度、図書館付き合えよ。」



どうやら察してくれていたらしい。



「ごめんって!
でも今行っても絶対寝るしさー」





「じゃー俺んちで寝る?」



「え?ユノの方が家遠いじゃん。」



「すぐだよ。歩いて10分もかからない。」



新居の話だとようやく理解した。


「え、でも…」


「ここよりは快適、寝転がれるし。
よし、行こ。」



ユノに急かされて学食を後にして…

俺は今、
一人暮らしとは思えない
ロフト付きの広い部屋にいる。




ユノって…金持ちだったんだ…。





まず、手洗ってうがいしてこいって通された
洗面所が広すぎた。

大きな三面鏡は、
毎朝妹たちと洗面所で小競り合いをしている俺には羨ましくてたまらない。



リビングに入ってもまた驚いた。
ロフト付き…
しかも小さな物置用みたいなロフトじゃない。


てゆうか、いつ引っ越したんだ?
ついこの前何もないって…


「ごめん、
天井高いからかエアコンの効き悪くて…
寒くない?」


俺の後で手洗いうがいを済ませたユノが
コートを脱ぎながらリビングに入ってきた。



「いや、なんか…
凄すぎて興奮してるのか寒さ感じない。」


「なんだよ、それ笑
コート脱いだら?」


「う、うん。
ねぇ!ロフト見てきていい?

ごめんね、キョロキョロ落ち着きなくて。」


 
「いや、そんなことないよ。

ごめん、冷蔵庫になんもなくてさ。
一階の自販機行ってくる。」



「えっ、いいのに!」


「いや俺がコーラ飲みたいし。
ゆっくりしてて。」



「そう?ごめんね、いってらっしゃい。」


ユノが出て行った後、ロフトに上がってみる。




「うわぁ……これキングサイズ?」





大きなベッドなんだけど、
スウェットが脱ぎ捨ててあって
そこがユノ らしくて、
モデルルームみたいだと思った部屋に暖かさが
灯った気がして、クスッと笑ってしまった。





しばらくロフトで
観葉植物なんかを眺めていたら
ガチャっと玄関のドアが開く音がした。





一階に自販機あるなんて便利だなって
思いながら階段から降りようとして….


ユノの鋭い声と泣きそうな女の人の声が
聞こえた気がして固まった。












ステップフロアと迷い…結果ロフト付きに。
こんな感じを妄想しています。
権力と財力のある高校生のユノ。
大好きです←





よろしくお願いします。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

コメント

非公開コメント