PATRON 12


復学して1ヶ月。
生活のリズムも整い始め、
アルバイトすることを考え始めた。

もちろん学業優先だけど…
飲食店で働いておきたいんだ。

そう思ったらいてもたってもいられず、
学校からの帰り道で携帯を取り出す。


携帯には最初からチョン社長と
シンさんの連絡先が入っていて…
少し迷ってシンさんの番号を押す。


「もちろん、構いませんよ。
うちのお店が良ければ、
こちらで用意させていただきますが。」


「いえ、あの、自分で探します。
許可していただいてありがとうございました。」













「だ、そうですよ。」

「なんで俺じゃなくてシンに
電話がかかってくるんだよ。」

「多忙な社長にいきなり電話をかけてくるような
非常識さはチャンミン さんにはありませんよ。
ただそれだけでしょう。」

「シンだって忙しいじゃん。」

「だからそれはっ!
普通は秘書に聞くでしょう。



はぁ、ったく、めんどうだな。」



「今面倒って言った?」










そんなやりとりがされていたとはつゆ知らず。
俺は早速お店を探し始めた。


どうせ働くなら経営者の顔が
見えるところがいい。
チェーン店だとそれがなかなか叶わない。


いくつか候補を決めて
実際に食べに行ったりもして
俺が働くことになったのは
個人経営だけどおいしいと評判の
フレンチのお店。

オーナー夫婦がやってるお店は
経営もサービスも参考になりそうだった。






アルバイト先を決めたとシンさんに
報告した日の夜。

今から行くからとチョン社長から連絡があった。



平日の夜18時。え、なんだろう?
ソワソワして落ち着かない。

どうしよう、あ、シャワー浴びとく?
いや変な意味じゃなくて、
俺今日一日大学行ってたから
汗臭くない?


夕食の準備を一旦ストップして
慌ててシャワーを浴びる。



1時間後にやってきたチョン社長は
白Tにネイビーのストレッチ素材のジャケットが
あまりにも爽やかすぎて
シャワー浴びといて良かったと
心の底から思った。





うん、もう気づいてる。
まだ数回しか会ったことないけど、
チョン社長に惹かれている。


せっかく与えてもらった将来のために
必死にならないといけない時期なのに
チョン社長を好きになるとか…

ホストにハマって貢いで
借金を作るような人間はもうほんと、
どうしようもない。

でもさ、チョン社長みたいな人
誰だって好きになるだろ?



頑張ろう、努力しよう。



ホストを本気で愛してると思っていた
あの怠惰な生活の日々より
今度の秘めたる恋は、
俺に真っ当に生きるための力をくれた。










「チャンミン、
なんで俺には連絡してこないんだよ!
アルバイト決まったんだろ?

お祝いに飯食いに行くぞ。」




ちょっとムッとした顔の社長。

後ろに苦笑したシンさんが控えていたけれど
それでも一緒に食事が出来るなんて
幸せすぎてクラクラした。




幸せだと感じるくらいは、いいかな?
それさえも、なんだか厚かましい気もした。




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