PATRON 14


やばいっ

社長起きちゃっ…え、せ、セーフ?




おそるおそる近づいたけど、
スヤスヤと眠るチョン社長に
起きる気配はない。


よ、よかった…



ホッと胸を撫で下ろして
あらためて社長の顔を見つめる。

なんて精悍で…なんて綺麗な顔。











ってそうじゃなくて。

この状況…

まさか、車の中で寝てしまった俺を
運んでくれ、た?


ああぁ…申し訳なさすぎる。

俺なんか、その辺に転がしといてくれたら
良かったのに。


ホストクラブに通いつめているとき、
気がついたら店の外で寝ていたことも
あったから、慣れてるのに。






嫌なことを思い出して、頭を振る。



今はそんな場合じゃない。

えっと、どうしよう。

起こした方がいいのかな、
確か…自分の車でホテルに帰るんだったっけ?

てことは、別に無理に起こす必要はないか。


今、何時だろう。


辺りを見渡しても携帯や時計の類がなくて、
そっと部屋から出てリビングへと向かう。










ウソだろ、4時…?

リビングの置き時計を見て愕然とした。
一体何時間椅子で寝てるんだよ!


ベッドに寝かさなきゃって慌てて部屋に
戻ったけど、熟睡してる成人男性を
起こさずに動かすのは至難の技だ。


「はあっ、無理だっ、もー無理っ…」



ドキドキしながら
足を持ち上げようとしてみたり、
腕を自分の肩にかけようとしてみたり、
起こさないように気を遣って変なところに
力が入って汗だくになったところで、
諦めた。

ベッドにたどり着くまでに2人で
床に崩れてしまうところが目に浮かんだからだ。

仕方なくチョン社長にブランケットをかけて
バスルームに向かった。









シャワーを浴びながら、ニヤついてしまう。


「結構足も手も動かしたのに、
起きないもんだなぁ。

チョン社長、眠りが深いんだな。
朝も弱いのかな。」




運んでもらって疲れさせたことを棚に上げ、
思いがけないチョン社長の無防備な姿を
見れたことに嬉しさが隠せない。




社長のために朝ごはんを作るべく、
早朝からキッチンに篭り、
小さな声で鼻歌を歌う。

もう少ししたらシンさんにメールして、
何時に社長を起こしたらいいか聞いてみよう。



ここ数年で1番幸せな朝だった。













俺は、
チョン社長が長い時間、
俺の寝顔を見ていた事を知らない。



愛してると思っていたホストとは
軽いキスだけ。
大事にされていると盛大な勘違いをしていた。
実際のところ俺は、寝てもらえるほど
カネを落としていなかったんだろう。
 
だから、
アイツに抱かれるまで
俺は誰ともそーゆー事をしたことがなくて。

最初の頃はあのマンションの一室で
うなされて夜中に飛び起きて、 
朝まで眠れないとか、しょっちゅうだったけど
最近はそんな事全然なくて
未だにうなされてる夜があるなんて
知らなかった。






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